昨日の憂太のキレぶりには、正直驚いた。
創造性あふれるスルーパスやワンタッチパスを繰り出し、
攻めに守りに顔を出し、最後はゴールまで決めてみせた。
「やっとか…」という思いと、ある選手の顔がオレには浮かんだ。
ケリーの顔だ。
すべてのボールが彼を経由し、良くも悪くも、ケリーの出来がチームを左右した。
昨季、チームはそのケリーを放出し、憂太はその後継者となるハズだった。
開幕はスタメンだったものの、ケガもあり、チームが目論んでいたような、
ケリーの代役は果たせずにいた。
「ケリーがいれば…」何度その言葉を呟いただろう。
その憂太が、昨日はまるでケリーが宿ったかのような活躍ぶりだった。
ボールを奪われれば、必死になって追いかけ、失点後はガムシャラにゴールへ向かった。
今季も残りあと7試合。あの憂太ならケリーの代役が勤まると思う。
しかし彼はケリーの代役であってはならない。
憂太は憂太であって、彼もそれは望んでないだろう。
それには、憂太が自分で結果を出していくしかないし、
オレたちの心を揺さぶるようなプレーをし続けるしかない。
それは、ケリーも、アマラオも成し遂げた道だ。
なあ憂太、だからどうかケリーを忘れさせてくれ。
その時初めて、憂太自身が成長し、東京がワンランクアップした証拠なのだから。