第16節・広島戦
wabisabiさんのエントリに、思うことがあったから、
めずらしくトラックバックなんてしてみた。
そのエントリとは、ルーカスのことだ。
彼は先日の広島戦、累積警告のため、試合には出られなかった。
出場できない彼は、メインスタンドのガラス張りの席で、試合を眺めていた。
結果はご存じの通り、0-2の完敗だ。
ゴール裏の怒号が、選手や監督、フロントに浴びせられる。
その光景を、ルーカスはずっと見ていたらしい。
表情は分からない。
でも、うなだれた選手たちがピッチを去るまで、
ずっと、最後まで、その姿を眺めていたそうだ。
きっと、「ハラトーキョウ」コールも、「ササ」コールも、
ルーカスの耳に届いていたろう。
「ルーカスが好きなんだ」と言って使い続けてくれた監督は去り、
Jでなかなか得点できない、まるでかつての自分のようなFWもアルゼンチンへと旅立った。
彼は、どんな思いでこのコールを聞いたのだろうか。
ここから先は想像だ。
最近のルーカスの活躍の裏には、「原さんやササの分まで」という思いがあったのではないか。
だとすれば「ハラトーキョウ」や「ササ」コールは、
過去と向き合ったルーカスにとって、相当辛いものだったに違いない。
たとえそれが、フロントに向けられたものであったとしても。
やはりあのコールは、ルーカスを悲しませたのではないだろうか。
それを思うと、胸が痛い。
でも。だからこそ。
ルーカスはやってくれる。
ボールを必死で追いかけ、攻撃ではタメをつくり、DFに削られても立ち上がり、
怪我をも恐れぬ勇気でクロスに飛び込み、狙いすましたキックでゴールを奪うだろう。
そしてオレは誇らし気に言う。
「だから、ルーカスなんだよ」。