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2007年 01月 16日
「敗因と」と、土肥洋一への思い。
「敗因と」と、土肥洋一への思い。_b0015993_2215871.jpg「日本代表は内部崩壊していた」とか、そんなことはどうでもいい。
それは、東京サポーターとして自分が、
突き刺さるような日差しが照りつけるフランケン・シュタディオンで、
秋のような風が冷たい夜のヴェストファーレン・シュタディオンで、
日の丸をつけた土肥ちゃんとモニの姿を見て、何よりも誇らしく思ったからだ。

二人が“そこ”で何をしていたか。
二人が“そこ”で何を考えていたか。
それを少しでも知りたかったから、この本を手に取った。

残念ながらモニに関する情報量は少ないけれど、
土肥ちゃんのインタビュー(Numberとかぶる部分もあるが)は
土肥というサッカー選手を深く知るヒントにはなった。

キーパーグローブを着けずに試合前の練習に参加した土肥ちゃん。
献身的にボトルの水を配り回ったモニ。

彼らがなぜドイツでそのような行動をとったのか。
また少しわかった気がする。

そしてさかのぼること2004年ナビスコ決勝。
試合終了後のヒーローインタビューで、土肥ちゃんが放った言葉を思い出す。

「この勝利は、チームがひとつになったからだと思います」。

こういうチームは強い、という実感。
一方、こういうチームは脆い、という実感。
レギュラーでゴールマウスを守り続けるプレッシャー。
一方、控えとして準備をし続けるストレス。
その両方を経験しているGKが土肥洋一だ。

GKというポジションの性格上、開幕のピッチに立てるのはおそらく一人だけだ。
土肥ちゃんか、シオか、それともルーキーの阿部か権田か。
例え開幕のピッチに土肥ちゃんが立てなくても、
彼は新しい正GKを気持ちよく送り出すだろう。
そしてその「控えに土肥がいる」という状況は、
東京のGK陣が、ひとつランクアップしたという証明だ。


「敗因と」は、6月の記憶が詰まった、苦い本だ。
しかしそれを経験した頼もしい男が東京にいることを、再確認できた。
彼はその経験を生かせるか。
新しいチームはもう、動き出している。

by tokyo-boys12 | 2007-01-16 02:37 | FC東京


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